タイトル:
伝説の勇者の伝説
出版社:富士見書房
レーベル:富士見ファンタジア文庫
著者:鏡貴也(代表作:「
伝説の勇者の伝説
」「
いつか天魔の黒ウサギ
」)
イラスト:とよた瑣織
ジャンル:ファンタジー・群像劇
全11巻。
内容:ローランド帝国王立特殊学院の学生、
ライナ・リュートは、いつも寝てばかりで無気力な劣等生。毎日、昼寝だけして過ごすことを望んでいるが、どういう訳か同じ学生であり、王家の血を引く
シオン・アスタールに「仲間にならないか?」と勧誘を受け、ライナに好意を持つ
キファ・ノールズからは付きまとわれ、平穏だが中々昼寝もできない日々を送っていた。
そんなある日、敵国のエスタブール王国が戦争をしかけてきたことで、ライナたち学生も戦争に送り込まれる。敵はエスタブール最強の戦闘部隊である魔法騎士団。多くの仲間を失ってしまうが、ライナの瞳に隠された
複写眼(アルファ・スティグマ)が暴走し、エスタブール魔法騎士団を殲滅。なんとか暴走も収まり、ライナとシオン、キファは一命を取り留める。
戦後、忌み嫌われる
複写眼(アルファ・スティグマ)保持者である事が、バレたライナと、二重スパイであったキファは投獄されてしまう。シオンは先の戦争の戦果の自分の手柄として昇進。
そしてこの事をきっかけにシオンは遂にはローランドの王となり、キファとライナを釈放する事に成功する。
キファは大好きなライナを本当の意味で救うため、ローランドを出奔。
ライナは、王であるシオンの命令により、この世界から戦争を無くす為、金髪碧眼で女神と見まごう美貌を持つが、ちょっと残念な団子好きである
フェリス・エリスを相棒に、伝説に登場する「勇者の遺物」を探す旅に出る。
ライナが昼寝だけをして過ごす日々は果たして訪れるのか?
今、ここに伝説の勇者の伝説
が幕を開ける!感想:展開がとにかく速い作品です。1巻からとんでもない速度で物語が展開します。
文章は読みやすく中々ページが進まないという事もなく、まさに軽小説(ライトノベル)と言えます。物語の中で戦争が扱われているため、表紙やイラストのイメージからは想像できないほどそういった描写に事欠きません。これが意外性を演出し、いい意味で裏切られた感があって、一気にハマりました。
(以下ネタバレ反転)
続編「大伝説の勇者の伝説
」では、さらに展開が速くなり、大陸全土を巻き込んだ戦乱が描かれるようになるのですが、この「伝説の勇者の伝説
」は戦争へと突き進む「狂った勇者」と契約したシオンを救うため、ライナがローランドを出奔し、旅に出るまでが描かれています。
「寂しがりの悪魔(ライナ・エリス・リード)」を宿すライナを永遠の苦しみから救うため、ライナを殺す事で救おうとするシオン。シオンに殺されそうになりながらもシオンを救おうとするライナ。これはそんな二人の悲しいまでの友情の物語となっています。(ネタバレ終了)