
ハンターと闇の一党、その果て無き夢とは!?タイトル:
ハンターダーク
出版社:
TOブックス著者:
秋田禎信(代表作:「
魔術士オーフェン
」シリーズ、「
エンジェル・ハウリング
」シリーズ)
イラスト:
田島昭宇ジャンル:
SF全1巻。
内容:闇に閉ざされ、オイルの雨が降る法も秩序も無い地下世界。
そこで目覚めた鋼の身体を持つ機械人「ザ・ハンター」には記憶が無かった。彼が理解しているのは、自らの名と、己が機能のみ。
オイル切れを起こしかけたところを助けてくれた「ディバイダー」に誘われ、「ディバイダー」のアジトで出会った「早撃ちネイラー」、「鬼子のハンナ」、「無言のミュンヒハウゼン」ら4人と共に、闇の一党を名乗り、明かりを求め争いの絶えない地下世界を鎮める戦いを繰り広げることになる。その先に自分が求める答えがあると信じて。
そんな最中、地下世界である噂が囁かれるようになる。それは、この世界に王国をもたらすという女神「ビューティグレイス」という機械人がいるとの噂であった。地下世界はこの「ビューティーグレイス」を巡りかつて無いほどの騒乱に飲み込まれようとしていた。
感想:予備知識なしで読み始めたため、ロボットの話だとは思いませんでした。
秋田禎信作品としては、読者層に合わせているのか「
魔術士オーフェン
」シリーズや「
エンジェルハウリング
」より、「
カナスピカ
」に近い書かれ方をしています。だた内容は、アクションなので、雰囲気は似ても似つきません。全編通して、ダークファンタジーの様相を保っており、常に地下世界の暗闇を意識させられる文章力はさすがでした。話としては完結していると言えば完結していますが、ひょっとしたら何時か続編が出るかもしれないという終わり方をします。詳しくはネタバレで。
(以下ネタバレ反転)
ハンター達は元は人間で、ロボットにされたものの欠陥品として地下へ廃棄された失敗作という真実があり、彼らを廃棄した地上世界の人間はハンター達のような廃棄ロボットを使いロボットを完全にコントロールする術を見つけようとしています。言わば、この地下世界自体が巨大な実験場。
そこに機能テストのため送り込まれる「ビューティグレイス」「ルーラー」。地下世界監視のため派遣されている「ミラージュ」タイプのロボット達。物語はそんなロボット達との出会いで、地上の思惑にハンター達が徐々に気付き、対抗していくという内容。
ラストは、俺達の戦いはこれからだ!と言った少年漫画の打ち切りのような終わり方をします。
なので、完結しているとも言い切れないので中途半端感はありますが、これはこれでありだと思います。
そういう訳で、「映画のラストはしっかり終わってほしい!」という人にはお勧めできません。