地球の子 有名少年漫画誌で好スタートを切れたのに「偽装家族」漫画に及ぶことなく終わった「家族」漫画
集英社コミックスタイトル:地球の子
出版社:集英社
ジャンル:SF・家族
掲載誌:週刊少年ジャンプ 全3巻
あらすじ:ただの一般人・佐和田令助と、どの時代にも必ず1人だけ存在する地球を守る力をもつ存在『地球の子』・星降かれり。
二人はある事で出会い、恋に落ちてしまう。
境遇・能力・経験。何もかもステータスが違う2人だったが、令助のアタックもあり結婚へと至り子供・衛も生まれる。
だが、そんな幸せ一杯の二人の前に地球の存亡をかけた危機が訪れる。
地球を救うには、かれりの力が必須だったが、そのミッションは帰還不可能なものだった。
だが、かれりは家族のいる地球を守るためその力を惜しみなく使う事を決め…。
感想:あらすじは第1話の内容です。56P使っているとは言え、駆け足展開なのに無理がないのはすごい。そのまま読みきりとして通用します。
なので充分おもしろいんだけど、その後の展開も駆け足になっている。
週刊連載なのに、恋愛⇒家族愛に舵を切るのがあまりにも早すぎた弊害なのかとも思ったけど、恐らく一番描きたい場面を描くためにブレーキを緩めずに描かれたんだろうなと思います。
常に最速・最短距離を走った漫画。
その無駄の省きようと展開速度は展開が速いと言われたあの「鬼滅の刃」をぶっちぎるレベル。
構成に無理はないんだけど、本当に展開を詰め過ぎ。
そのせいで読者が置いてけぼりにされた感は否めない。
恋愛パートに1巻分を使って読者の感情が令助に追いつくのを待ったほうがよかったのではと思う。
2話目以降、要所要所で家族の思い出を振り返りる場面がありますが、もはや走馬灯のようでしたし。
1話の時点で「これは次にくるんじゃないかな?」と思えましたし、人気がでる可能性もあったのに同じく超能力・家族を扱った「偽装家族」漫画と違い構成を詰めすぎたが故に、その機会を逃してしまった惜しい漫画というのが率直な感想です。
超能力×恋愛という似たジャンル傾向の水上悟志先生の「サイコスタッフ(全1巻)」を思い出すと余計にそう思います。こちらは奇しくも「地球の子」の1話の大筋を1冊使って描いたような漫画でしたし、さらに言うなら「モブサイコ100」並みに主人公の光一は、超能力を持ってるけどモブな奴でした。
※「サイコスタッフ」は2007年に出版された漫画です。
少し脱線しました。
なので、先生のそういった別作品を読んでみたいと思わされる佳作でした。
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